中長期的な投資学

中長期投資家による分析や銘柄研究

【株の安さ】PER・PBR・配当利回りを融合した公式

株の「安さ」が分からない!

株式投資を始めて2年目になります。株式投資にはある程度慣れてきましたが、まだまだ学ぶべきところが多いと感じております。

 

さて、この記事では、株の安さの指標の「応用」について語りたいと思います。

 

ある程度の経験者ならもちろん分かると思いますが、株式投資をする際に、一つ困ることがあります。それは「何をもって安い」と判断するかということです。

 

一般的には(株の本には)、PER、PBRなどの指標があり、その数字が安いと見なされれば「買い」であると簡単に言われてしまいます。

 

しかし、実際運用するうえでは、これだけでは使えません。

 

なぜなら、次のようなパターンがあるからです。

 

企業A

PER40 PBR0.5

 

企業B

PER20 PBR1.0

 

あなたは、どちらが安い会社だと思うでしょうか。企業AはPERは高く、その代わりPBRは低い。一方、企業BはPERは低く、その代わりPBRは高めです。

 

このような場合、結局「直感」で会社の安さを判断するしかなく、投資は「運」や「経験」で結果が決まることになります。これではいけません。

 

そこで、僕は次のような「公式」があればこの問題を解決できると考えています。

 

2つの指標を組み合わせる

簡単に言えば、PER、PBR、配当利回りなどの指標を組み合わせた数式を使います。式自体は非常に単純ですよ。(僕は文系です。)

 

PER=数字が低いほど安い

PBR=数字が低いほど安い

配当利回り=数字が高いほど安い

 

このことを利用して、うまく公式を作ってみました。

 

①公式:PER✖PBR

 

使い方:この公式の計算結果の数字が低いほど、その株は安いことを示します。2016年3月29日現在の日経平均のPERは15.15、PBRは1.14です。よって、

 

PER✖PBR=17.271

 

例えば、キッコーマンだとPER37.26、PBR 3.13なので、

 

公式に当てはめると

 

PER✖PBR=116.6

 

となります。キッコーマン株は、日経平均の約7倍近く高いことになります。

 

②公式:配当利回り÷PER

 

使い方:この公式の計算結果の数字が高いほど、その株は安いことを示します。2016年3月29日現在の日経平均のPERは15.15、配当利回りは1.72 です。よって、

 

配当利回り÷PER=0.11

 

例えば、ファナックだとPER 22.31、配当利回り2.75なので、

 

公式に当てはめると

 

配当利回り÷PER=0.12

 

となります。ファナック株は、日経平均とほぼ同じ水準と分かります。

 

③公式:配当利回り÷PBR

 

使い方:この公式の計算結果の数字が高いほど、その株は安いことを示します。2016年3月29日現在の日経平均のPBRは1.14、配当利回りは1.72 です。よって、

 

公式:配当利回り÷PBR=1.50

 

例えば、三井不動産だとPBR1.46、配当利回り1.00なので、

 

配当利回り÷PBR=0.68

 

となります。三井不動産株は、日経平均よりも2倍以上安い水準と分かります。

 

より正確な分析ができる

この公式の良い点は、株の安さをより正確に分析できるところにあります。投資をする際には、「直感」はある程度必要になりますが、それを可能な限り排除する努力も必要です。

 

もちろん、株には他にも指標はたくさんありますので、この公式を参考に、自分でオリジナルの指標を作るのもありでしょう

 

ちなみに、僕は配当利回り÷PERの式をよく使いますが、これは元々僕のやり方がPERと配当を重視した安定志向の投資手法だからです。だから、人によって有効な投資スタイルは違うはずです。

 

念のために書きますが、これらの公式が示す指標も完璧ではなく「目安」程度にしかなりません。投資はあらゆる要因を考慮してする必要がありますので、投資をする際はそこだけは気を付けていただきたいと思います。

 

日経のPER、PBR、配当利回りを知りたい方はこちらをチェックしてください。