中長期的な投資学

中長期投資家による分析や銘柄研究

FXが日本だけ人気が高い本当の理由【FXの57%が日本人】

 

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日本と言えばFX

投資と言えば、株あるいはFXを思い浮かべられるのではないでしょうか。特に最近は若者を中心にFXに興味を持つ人がどんどん増えてきています。しかし、最近の調べによれば、世界のFXの個人投資家の57%が日本人であると判明しています。日本人が、あまりにもFX市場に偏っているため、彼らは「ミセスワタナベ」と外国人の投資家に名付けられるほどです。そもそも、外国ではFXはメジャーではありませんし、どこかギャンブル的で胡散臭いものという印象があります。しかし、日本は逆に、FXに手を出す人が増えています。なぜFXは日本でこれだけ人気が高いのでしょうか。

 

2つの理由

理由の1つ目としては、日本はながらく株式市場が低迷しており、株式市場に個人投資家が期待していないからです。アベノミクスで日本株は復活しましたが、それでもバブルの半分程度に復活したにすぎません。日本の株はまだまだ低迷期なのです。これでは株に手を出すよりもFXのほうがまだ相場が読みやすいと思ってしまうのです。

 

2つ目の理由は、日本の金利が低いためです。高金利の外貨預金をする代わりに手数料が安いFXに手を出す投資家が出てきたのです。

 

こちらのサイトを参考にしています。

 

本当の理由がこれだ

しかし、僕は日本人がFXにハマる本当の原因は、もっと泥臭いというか生活にそくしたところにあるんじゃないかと思うのです。あれだけFXで大失敗したエピソードがネットやテレビで紹介されまくるのに、それでもFXに手を染める日本人。その原因はなんでしょうか。それは、ずばりFXは24時間取引が可能なところにあるのです。では、なぜ24時間取引が可能だと、日本人はFXにハマるのでしょうか。

 

考えてみると、日本の労働時間はサービス残業を含めたら12時間を超えてしまうこともしばしばあります。それは大企業も中小も関係ありません。こういった労働環境の中では、投資をしようと思っても、時間があまりにも足りません。株の取引は平日の9時から15時までと決まっており、日本の労働者のほとんどがその時間では株の取り引きができません。特に、短期のスキャルピングは、チャート画面を見ながらやるのが基本なので、仕事の合間にできるものではないのです。

 

実際、FXの多くは20代男性です。FXへの投資は年代が上がるほどに低減しており、20代男性が22・6%で50代男性だと9・9%。20代女性で12・1%、50代女性で5・2%であり、どちらも若い世代のほうが取引をしているのです。「20代」と「24時間取引」との相性は抜群でしょう。比較的体力のある若い世代が、短い自由時間の中で、少しでも資産を増やそうとしている姿が想像できます。

 

このままではいけない

政府が掲げる「貯蓄から投資へ」の移行は重要なのは間違いありませんが、今の日本の労働時間を考えると、それが実現しにくいのかもしれません。結局、お金がたくさんあるから投資するのではなく、投資の分析ができる余裕時間や取引する時間があるからこそ、投資を始められるのだと思います。実際、日本より労働時間が短いアメリカでは、所得に関係なく投資を日常的にしています。政府が日本人投資家、特に株の投資家を増やすためには、NISAといった制度だけではなく、そういった時間を確保する政策もある程度必要かもしれませんね。さもないと、みんな24時間取引ができるFXに行ってしまうことになります。