中長期的な投資学

中長期投資家による分析や銘柄研究

損切り10%は本当に有効かシミュレーションしてみた結果wwww

はい。タイトルは、2chまとめ風にしてみました。まったく意味はありません。

 

今回は、また株のことを書いちゃいましょう。

 

ただ、株に限らずひょっとしたらギャンブルにも使える考え方かもしれません。

 

もちろん、FXでも重要な考え方でもあるでしょう。

 

株をやると、当たり前ですが、得をしたり損をしたりします。

 

そして、うまく利益が出ればよいのですが、うまくいかず損をし、損切り(ロスカット)をせざるを得ないときが出てきます。

 

僕が株を始めたころ、「損切りは大事」「損切りは絶対しろ」と本や証券会社のサイトには書かれていたので、損切りは良くしていました。

 

ただ、そのおかげでコツコツと損は膨らんで、なんか違うと感じ始めて、最近はあまり損切りをしない投資法に切り替えています。

 

特に、本によく書かれているのは「株価が投資額より10%下がったら、損切りしなさい」というものです。

 

これは、本当に使える損切り方法なのでしょうか。そこで、僕なりにシミュレーションをしてみました。

 

シミュレーション自体は単純です。

 

①勝率

②損切

③利確

 

を軸に設定をして、エクセルに自動的に計算させます。エクセルさえあれば、誰でもできます。

 

スタートは100万円からにします。また100万をいかに増やすかが重要なので、次に投資するときは儲かった分も全部投資します。例えば、100万投資して20万儲かった。次に投資するときは120万を投資するのです。(これを複利と言います。)また、100万投資して例えば―10万になったときは、90万になります。次に投資するときは90万投資するのです。

 

勝率は、次のようにしました。

 

勝率60%は、①勝つ②勝つ③勝つ④負け⑤負け の順番をずっと繰り返すことで再現することにしました。

 

勝率50%は、①勝つ②負け をずっと繰り返せば再現できますね。

 

結果はこうなりました。

 

 

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御覧のように、利確が20%・損切10%をすれば、勝率が50%でも大勝ができます。50回取引をすれば、資産は12倍になる計算です。素晴らしい。

 

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ところが、利確が5%だと、たとえ勝率が60%でも、損切10%では損をする一方になりました。勝率60%は結構できる投資家の勝率なので、利確5%では、ほとんどの投資家が損をすることになります。

 

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ブルー:利確15% 勝率50% 損切り10%

オレンジ:利確20% 勝率40% 損切り10%

 

一方、利確が15%とちょっと少なめでも、勝率50%さえあれば、利益が出ることが分かりました。

また、利確を20%にすると、勝率が40%でも、利益が出ることが分かりました。

 

つまり、少々へたくそでも、損切り10%、利益を20%確保する投資さえできれば、勝ちやすいということです。

 

以上のシミュレーションから分かることは、損切り10%というのは、利確を15~20%したときには有効ということなのでしょう。ただし、利確を5%など少なめにすると、いくら勝率を上げてもなかなか勝てないのです。

 

僕が読んだ本に、このような本があります。

オニールの成長株発掘法 【第4版】 (ウィザードブックシリーズ)

オニールの成長株発掘法 【第4版】 (ウィザードブックシリーズ)

  • 作者: ウィリアム・J・オニール,スペンサー倫亜
  • 出版社/メーカー: パンローリング
  • 発売日: 2011/04/15
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログを見る
 

 

この本では、損切り10%(8%だったかな?)をしろ! 利確は20%にしろ!と書かれていましたが、これは確かに勝率さえ高ければ、非常に有効な投資法だということが分かるのです。

 

つまり、「損切り10%をしろ」というのは、少なくとも勝率50%以上は必要で、かつ勝った時の利益が15~20%ないと、あまり使えない格言ということなのでしょう。

 

 

 

せっかくなので、長期投資もシミュレーションしました。

 

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ある年は利益が2倍になったけど、次の年は40%もマイナスなるというパターンを延々と続けた場合、ちゃんと利益が出ることが分かりました。

 

長期投資は、損も利益も大きな数字になりやすいのですが、2倍株をコンスタントに出せれば、40%の損切でもトータルでは利益になるのですね。

 

長期投資家には、ウォーレン・バフェットやピーター・リンチなど、伝説的な投資家が多いのですが、実は長期投資は勝ちやすい投資法なのかもしれません。

 

3倍株だとこうなりました。

 

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 損切りが60%つまり、株価が半分以上下がった後に、損切しても、利益が出ることが分かりました。

 

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しかし、同じシミュレーションでも損切を70%にすると、資産がどんどん減ることが分かりました。60%が70%に変わっただけで、こうも結果が違うのかと僕もビックリしましたが、実際こうなってしまったのです。

 

2倍株や3倍株を狙った投資をする場合は、損切りは40~60%くらいが有効なのでしょうね。ただし、リーマンショックでも株価は40%くらいしか下がらなかったそうなので、そう簡単には60%は下がらないのかもしれません。。。

 

 

 

こうしてみると、損切りは何が正しいというのが全くないということがよく分かりました。自分の投資法や勝率・利確を考えて、適度な損切の設定を考える必要がありそうです。僕の場合は、今まで通りのあまり損切をしない投資法でいいやと思いました。