株価が下がっても利益を出せる空売りに少し興味を持ったので、試しにこの本を購入してみた。筆者は藤本壱。神戸大学出身。 アマゾンでもやたら高評価だったのだが、一体どんな本だったのだろうか。
読みやすさ ☆☆☆☆
読みやすいと思う。が、これはあくまで株式投資の本にしては読みやすいという程度だ。☆4つにはしているが、これは株本の中では読みやすいだけで、一般向けの本も含めた評価だと、☆3つ以下になると思う。アマゾンでも読みやすさで高評価をしている人が多いが、それを真に受けない方が良いと思う。そもそも、空売りに興味を持つ投資家はある程度の投資経験者が多いので、本では株の専門用語を知っていることが前提に書かれている。 それでも、やはり投資や経済の本はお堅い記事が多いので、そういうのに比べると比較的平易で読みやすいはずだ。「日経新聞よりは読みやすいよ」程度に捉えたほうがいいと思う。
知識欲 ☆☆☆☆☆
空売りに必要な知識をできるだけ盛り込もうとしているのが伝わった。そんなに分厚い本ではないが、書いている内容は結構多いと思う。空売り初心者が、空売りをする際にどういったリスクがあるのかなどを知るにはちょうど良い本だと思う。
お役立ち度 ☆☆☆☆
悪くないと思う。この本は空売りの基本的な知識を知るには非常に役に立つと思う。しかし、投資家が空売りで儲けるための方法論は「さわり」程度にしていると感じてしまった。空売りに興味がある人は、空売りで儲けたい人が多いため、その点は残念に感じた。すでに、空売りの基本的な知識がある人は買わない方がいいかもしれない。 また、この本の空売りのテクニックは、テクニカル分析がメインなのも気になった。(グランビルの法則など) 空売りをする人はテクニカル派が多数なのかもしれないが、ファンダメンタル分析の空売り方法はほとんど紹介されていなかった。ファンダメンタル派の私には少し物足りないと感じてしまった。 しかし、それでも良書だと思う。空売りの基礎知識を身につけたい人にはお勧めしたい。
読書後満足度 ☆☆☆☆
この辺の評価は難しいが、やはり一回読んですぐに分かるような本ではないので、実践を通して知識を身に着けるしかないのではないかと思う。この本はどちらかと言うと「教科書」や「参考書」に近いと思う。この本の知識を利用して自分なりの空売りスタイルを作り上げる必要があると思う。
コストパフォーマンス ☆☆☆☆
コストパフォーマンスは良いと思うが、1つだけ気を付けてほしい。この本は、株の全くの初心者だと内容がこれっぽっちも分からない可能性が高い。この本を買う前に別の本で勉強しなければいけない。 また、株歴が長く、空売りの経験が豊富な人がこの本を読んでも、何の足しにもならない可能性がある。 この本のターゲットは、私のような株についてある程度の知識があり、空売りにも興味を持ち始めた人である。その点だけ気を付けてほしい
まとめ
全体的には良書だと思う。この本を読んでから空売りについてある程度のイメージができた。が、実際、空売りで利益になるようにするには、もう少し時間が必要になると思う。