中長期的な投資学

中長期投資家による分析や銘柄研究

【銘柄研究】ステップ(9795) 神奈川県最大級の学習塾

ステップという銘柄を投資先として検討しています。神奈川では非常に知られている学習塾のようです。

 

投資条件でチェック

・配当PERレシオで市場平均よりも安い株に投資する。(〇)

2016年6月25日現在の時点では、ステップは日経平均よりも割安となっています。

 

日経

PER:12.62

配当利回り:2.03

 

ステップ

PER:10.6

配当利回り:2.72

 

・オーナー企業に投資する。(〇)

オーナー企業です。

 

・ブランド企業あるいは顧客基盤企業に投資する。(△)

神奈川県では非常に有名な塾だそうですが、そのブランド力を生かした戦略にはやや限界がありそうです。塾関連しか、すそ野を広げられません。また、生徒も大学や高校に合格すると離れてしまいますので、顧客基盤企業でもありません。

 

・景気の影響を受けないビジネスに投資する。(〇)

学習塾は景気の影響を全く受けません。

 

・増配するあるいは株主還元をする企業に投資する。(〇)

増配もしますし、自社株買いもします。

 

・ニッチな企業に投資する。(〇)

この会社の大きな特徴は、全国展開をするのではなく、神奈川県に特化していることです。これにより、神奈川県に集中することで、より地域に密着した塾を目指しているようです。

 

・効率性を重視した企業に投資する。(〇)

効率化に取り組んでいます。HPには

株式の店頭公開を行った95年9月期から15年9月期までの間に、生徒数(期中平均)は7,531人から23,031人へと約3.1倍になりました。一方で同じ期間で販管費率(売上高に占める販売費及び一般管理費の割合)は15.5%から6.7%まで減少し、広告宣伝費率(売上高に占める広告宣伝費の割合)についても4.0%から2.3%まで低下しています。 本部や販管部門に必要以上のコストをかけず、その分現場の人材層の着実な充実をはかっていきたいと思っています。

 

と書かれており、効率化に取り組んでいることが分かります。

 

・大物を狩っているあるいは、大きな実績を残している。(〇)

神奈川県では、全国的な学習塾と勘違いされるくらい有名です。生徒の合格実績に関しては

 

湘南 30年連続全塾中No.1(192名)

大和 26年連続全塾中No.1(95名)

茅ヶ崎北陵 23年連続全塾中No.1(148名)

希望ヶ丘 19年連続全塾中No.1(112名)

平塚江南 15年連続全塾中No.1(170名)

厚木 15年連続全塾中No.1(181名)

相模原 13年連続全塾中No.1(129名)

秦野 12年連続全塾中No.1(152名)

小田原 10年連続全塾中No.1(176名)

柏陽 9年連続全塾中No.1(130名)

 

とHPには書かれており、かなりの実績があるようです。

 

・高い利益率。(〇)

経常利益率は24%と非常に高いです。しかも、利益率が安定しています。

 

・値上げできる余地がある。(△)

コースの設定次第では可能ですが、少し難しいかもしれません。

 

・東証2部で東証一部を狙っている。(✖)

すでに、東証1部です。

 

・事業拡大の余地がある。(〇)

基本的に神奈川県に特化した塾ですが、全国展開も十分可能でしょう。しかし、ステップとしてはあくまで神奈川にこだわりたいようです。

最近、新規事業としてステップキッズ、ステップ保育園などの児童向けの学校を開設しようとしています。もちろん、これらも神奈川県です。

 

・株主優待がある。(〇)

株主優待があります。QUOカードです。QUOカードを含めると配当利回りはさらに高くなります。


・ライバルが参入しにくいあるいは、他企業にない独特の経営ビジョンを持つ。(〇)

ステップは、経営方針を自社のHPではっきり書いています。

①質の高い授業の実現が基本

②教師の専門性を高める

③神奈川県に特化している

④活動的で判断の早い"小さな本部"を

⑤教務力の検証としての合格実績

 

気になった部分だけ引用します。

当社は、講師陣の95%以上を正社員講師で構成、年間で40回を超える授業研修をはじめ、講師の勉強時間を確保するため、教師に「営業・勧誘活動はしない、させない」というポリシーを貫き、高い技術を持った、層の厚い講師陣の育成をはかっています。 またスクールを展開するにあたり、行き過ぎた拡張は、既存校のレベルを落とす大きな原因となるため、「新スクール開校は、人材の育成とともに」という考え方のもとに、年間5スクール前後の着実な開校に努めています。

 

高校入試制度は都道府県によって大きく異なっています。地域のニーズに素早く的確に対応するには、地域の状況をよく知り、すぐに動けるチームワークが必要です。 当社は神奈川県内に根を張ったスクール網を形成することによって、人的資源を初めとする社内資源を神奈川県での学習指導に集中投下しています。 この戦略は地域の教師のチーム形成や、地域での教師研修を合理的に進めていくためにも有効です。

 

 このように他の塾にはなかなかない方針を示しています。

 

・できればBtoCに投資する。(〇)

BtoCですね。

 

・顧客の需要を的確にこたえる供給センスまたは安定的かつ強い需要。(〇)

顧客の需要は良い大学や高校に行かせることです。ステップはこの需要に的確にこたえていると思います。


・繰り返し購入するものあるいはストック型ビジネス(✖)

繰り返し購入するサービスではありません。

 

・安全域がある。(〇)

神奈川県が安全域となっています。

 

・純利益が20%成長か15%成長(✖)

成長率は約7%です。急激な成長は望んでいないようです。

 

整理

〇があった条件

・配当PERレシオで市場平均よりも安い株に投資する。(〇)

・オーナー企業に投資する。(〇)

・景気の影響を受けないビジネスに投資する。(〇)

・増配するあるいは株主還元をする企業に投資する。(〇)

・ニッチな企業に投資する。(〇)

・効率性を重視した企業に投資する。(〇)

・大物を狩っているあるいは、大きな実績を残している。(〇)

・高い利益率。(〇)

・事業拡大の余地がある。(〇)

・株主優待がある。(〇)

・ライバルが参入しにくいあるいは、他企業にない独特の経営ビジョンを持つ。(〇)

気になった部分だけ引用します。

・できればBtoCに投資する。(〇)

・顧客の需要を的確にこたえる供給センスまたは安定的かつ強い需要。(〇)

・安全域がある。(〇)

 

✖があった条件

・東証2部で東証一部を狙っている。(✖)

・繰り返し購入するものあるいはストック型ビジネス(✖)

・純利益が20%成長か15%成長(✖)

 

△あるいは適用外があった条件

・ブランド企業あるいは顧客基盤企業に投資する。(△)

・値上げできる余地がある。(△)

 

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思ったこと

ユニークな戦略をしている塾です。全国拡大ではなく、地域に特化することで、利益を拡大しようとしています。大学入試改革もあり、塾のあり方も変貌するでしょうが、この塾ならうまく乗り越えられるかもしれません。

 

参考資料

月足チャート

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週足チャート

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日足チャート

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業績推移

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